定足数と決議要件について
定足数とは、株主総会決議の対象となる事項により、各議案を決議するために最低限出席しなければならない株主の人数のことです。
株主総会で議案を決議するには、この定足数を満たす必要があります。
一方、決議要件とは、各議案を成立(承認)するための要件を言います。
会社法では、次の内容で規定されています。
「株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。」
株主総会決議の種類
1.普通決議
定足数:行使できる議決権の過半数
決議要件:出席株主の議決権の過半数
※定款で異なる定足数を定めている場合は、そちらに従います。
一方で特に重要な決議事項については「特別決議」「特殊決議」として、普通決議よりも定足数又は決議要件が厳しく設定されています。
2.特別決議
定足数:行使できる議決権の過半数
決議要件:出席株主の議決権の3分の2以上
※定足数は定款に定めることにより、3分の1まで減らすことはできますが排除はできません。
※決議要件は加重することはできますが軽減することはできません。
次の内容のような議題については特別決議を要します。
例)
・定款一部変更
・株式の有利発行
・株式の併合
・資本金の減少
・役員等の損害賠償責任の一部免除
など
3.特殊決議
定足数(頭数要件):議決権を行使できる株主の半数以上
決議要件:全議決権の3分の2以上
※定足数(頭数要件)と決議要件は定款で加重することができます。
※要件の厳しい特殊決議として総株主の半数以上かつ議決権の4分の3の賛成を要する場合があります。
次の内容のような議題については特殊決議を要します。
例)
・株式に譲渡制限を設ける定款変更
・組織再編に際して、消滅する公開会社の株主に交付される対価が譲渡制限株式である場合